母と落ち葉と贅沢な気分

icon肌寒くなった頃の昼下がりに私の携帯が鳴った、、、電話番号を見ると母からだ仕事の手を休め電話に出る ”もしもし今忙しい?” いつもの様に話し始める、こちらの返事を待たずに話し始めるのはいつもの事だ、”今ね、お母さんねすごく贅沢な気分なの” 何だか少し嬉しそうだ” 何かあったの ”と私が聞く前に話は続く ”朝ね、落ち葉が多かったから箒で掃いてたんだけど良く見ると落ち葉がとても綺麗なの” 歳を重ねても少女の感性をもてるのは女性の特権だと思いながら聞く”掃いても掃いても終わらないの” かなり上機嫌だと分かる

落ち葉 ”それで今ね、諦めて家の中から庭の落ち葉を眺めてたらとても綺麗なの、それでお茶を飲みながら眺めていたら何だかとっても贅沢な気分になって電話したの” と自慢げに話し ”あなた忙しいんでしょ、じゃあね” と言って電話は切れた。まぁいつもの事だが母は贅沢な気分である事に私は少し嬉しい気分になった、きっと母は携帯電話を玄関の下駄箱の上に置きに行っただろうから携帯に電話をかけても出ないだろう(母は電話は玄関の下駄箱の上にしか置かないという厳格なルールを持っている)

少し変わった母だが時々私に幸福感を与えてくれる、昨今は家族が病に臥すことが多く色々と心身ともに疲れ気味の私だが妻の病状が安定したら母に逢いに行こうかしらと憶う。

Nozomi について

フリーランスから会社を起業して27年になります。 絵を描いたり本を読んだりしています。時々ブログを投稿しています。
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