突然に携帯電話がなり見覚えのない電話番号だったが通話ボタンを押した、聞き覚えのない女性の声で “Tさんのお兄様でらっしゃいますか 私、株式会社◯◯のFと申します” 確かに弟の会社からだった。女性は早口ながら落ち着いた口調で要点を明確に伝えてくれた、どうやら弟がK駅周辺で倒れ救急搬送されたらしい動揺しながらも病院へ電話をかけてみる、くも膜下出血で搬送され緊急手術中だと聞き直ぐに母に伝える。10時間程の手術が終わり医師と話ができた、まるで精密機械の故障を修理した様に手術内容を説明してくれた、覚醒する確率を聞くと50%だと言われた早い話2/1の確率で目覚めるか植物状態になるかという事だ、また覚醒しても左半身に後遺症が残るだろうと告げられる。
五日程の昏睡状態が続きやがて弟は覚醒した意識はハッキリとはしないが身体の後遺症なないようだと医師に伝えられ安堵するが高次脳機能障害と診断され色々と調べては見たものの落ち込むことばかりの情報が出てくる。現在はリハビリ病院に転院し日毎に体力も戻り日常の会話も出来るようになってきたが時間や場所の記憶の整理や時々突拍子もないことを言い出したりする、人間の脳がとてつもなく複雑で想像も出来ないほどの機能をしていることが分かる気がする。
この世は常ならざるを無常と言えど..リハビリに付き添いなるべく話をするようにしている。10年以上前の事柄を昨日の事のように真顔で語り同意を求められたり面会を終え帰ろうとすると一緒に帰ると言い出す。流石に私も胸が痛いがこの世に弟の変わりは居ないわけで一番辛いのも本人自身だろうとも思う。何年かかるか分からないがいつか社会に戻れるようにと応援するしかない、やる事はたくさんある保険の請求、要介護の認定、障害認定や成人後見人に成るための弁護士との打ち合わせなど、しっかりと前を向いてひとつずつ丁寧に向かい合っていこうと決心出来た昨今です。
愚痴のような話をつらつらと書いてしまいました。
寒くなりました、お身体を大切に。